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個人再生申立後だが開始決定前に給料差押えを中止させた事例

概略

個人再生申立後に債権者が給料差押えをしたので、迅速に差押中止命令を得て給料差押えを中止させた事例

相談者

Aさん 50代 男性 会社員

相談前

Aさんは住宅ローン2400万円の他に、生活費不足を補うためやギャンブルのための借金350万円があり、返済が困難になりました。

弁護士に相談後、借入理由にギャンブルがあることや返済額が減額されれば返済していける状況であることから、Aさんは、当事務所に個人再生申立を依頼しました。

相談後

申立の準備に時間がかかっていたところ、

令和3年1月15日付で、債権者の内1社から判決(債務名義)を取られたことが判明しました。今後給料が差押えられることを防ぐために、Aさんに急ぎ書類を揃えてもらい

2月16日付で、裁判所に個人再生の申立をしました。

2月26日(金)、まだ個人再生の開始決定が出る前でしたが、債権差押え命令(給料差押え)が発せられ、週明けの

3月1日(月)に勤務先からの連絡で給料が差し押さえられたことが判明しました。給与差押えされると、Aさん手取り月32万円のうち1/4の8万円をとられ、生活が困窮し住宅ローン等の返済もできなくなってしまいます。そのため給料日である3月16日の差押えを中止させるべく、急ぎ

3月2日付で裁判所に対し債権差押手続中止の申立をし、翌3日に裁判所から中止命令を得て、即日、強制執行手続停止の上申書を執行裁判所に提出したことで、Aさんの3月16日からの給料差押えを止めることができました。

尚その後、4月14日開始決定が、7月20日には認可決定が下りて個人再生に基づく返済も無事認められました。

弁護士からのコメント

本件のような給料差押えの事案では、差押を察知したら、とにかく迅速な対応が必要です。

いくつかのポイントを解説します。

 

①債権者から判決をとられたことがポイントです。

差押えには判決(債務名義)が必要ですので、判決をとることは差押えへの第1ステップなので、この段階で差押えへの警戒アラートが発令しました。

個人再生準備中にも債権者の動きには十分注意を払わなければなりません。

 

②個人再生の申立を急いだことがポイントです。

差押えを防ぐには、個人再生の申し立てをしていることが大前提となります。

差押えへの第1ステップである判決をとられたことで、急いで申立てを済ませたことがポイントです。

 

③差押えが判明した段階で、直ちに債権差押手続中止の申立をしたことがポイントです。

差押えを放置して置くと、給料は差し押さえられますので、これを防ぐには裁判所に債権差押手続中止の申立をし、早く中止命令を取得しなければなりません。

つまり次の給料日までの時間との勝負になります。

本件では、3月1日に差押えが判明しましたので、給料日の16日まで2週間しかありません。

3月2日差押中止の申立、3月3日中止命令の取得及び中止の上申という素早い対応をとったことがポイントです。

この結果、3月16日の給料差押えを阻止することが出来ました。

 

④給料差押え解除の経験豊富な弁護士に依頼したことがポイントです。

これまで当事務所では個人再生に伴い、15件の給料差押解除を行っております。

給料差押解除は時間との勝負です。

給料差押えが心配な方は、個人再生、給料差押え解除の双方に経験豊富な弁護士に依頼することがポイントです。

 

実際の給与差押え解除の流れについては、こちらをご覧ください。

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